[0] ガオガイガーFINAL最終巻についての考察あるいは思索-[Id of Radiance ver.5]





■ ガオガイガーFINAL最終巻についての考察あるいは思索

緊急特別編その3。ガオFINAL完結に伴う各種感想。
なお、ここからの内容はかなりのネタバレを含みます。


■ 8巻感想総合
 8巻の僕的評価を挙げると「65点」になります。この数字はこれまでの僕的ガオガイガーの評価から鑑みれば異常に低い数字と言えます。
 誤解の無いように最初に言っておきますが、フィルムとしての完成度は決して低いモノではありません。むしろすさまじい密度が凝縮されていると言ってもいいでしょう。手抜きは一切感じられませんでした。
 では私が何を不満に思っているか、それを順に述べていくことにします。

○ 展開の性急さ
 8巻は我らがGGGとソール11遊星主との最終決戦が描かれています。レプリ地球の各地に散らばった勇者達の戦いがパラで描写されているワケですが、その戦いの趨勢があまりに天秤揺らぎすぎ。楽勝かと思ったらあっさり返されて、でもボロボロになりつつ一発逆転、でも再生怪人大量発生(この時点で負け決定ですが(笑))。8巻は確かにこれまでより長時間収録されてはいますが、それでも時間が少ないのが明らか。 TVシリーズにあったような、ギリギリのラインでの鬩ぎ合いってのが感じられなくて緊張感がありません。これなら2巻での偽ガオvsガオファの戦闘の方が緊迫感があって楽しめたというものです。
 結局の所これは、尺が短すぎた故の全体構成の失敗が原因なのでしょう。ただ、このガオFINALがマーケティング的にいい売り上げしているとはあまり思えず、8巻以上出すのは難しいと思うので、仕方ないことかも知れません。泣く泣く削ったシチュエーションもたくさんあったと言いますし。それにしたってジェネシックが出てくるのが遅すぎるし、その後の展開が急すぎる事を考えると、もっと前半~中盤にかけて圧縮できた部分も多くあるのではないかと思わずにはいられません。

○ 設定の不全
 「ソール11遊星主に対するアンチプログラムであるところのジェネシック」。何よりこの設定が大きな間違いではなかったでしょうか。本来のこの設定に則ってもっとジェネシックオーラを多用してれば8巻のような無駄な苦戦はしなかったハズです。逆にジェネシックがあの程度の能力しかないとすれば、アンチプログラムとして単体でソール11遊星主を制し切れたとはとても思えません。その辺の相互矛盾がこれまでガオを支えてきた骨子の確かさを裏切ったため、ムダに気合いとか勇気を前面に押し出さざるを得ない結果になってしまったのではないでしょうか。

○ 結末について
 ストーリーについては結局作った人間のものであり、それが納得いかなくても観る側がとやかく言うモノではない、というのが本来の私の考えなのですが (注:もちろん好き嫌いは別ですが)、このガオFINALの結末については私は納得できない・・・というか、気に入らない部分が多すぎます。そりゃもちろんあーゆー展開もアリかとは思いますしそれはそれでいいのですが、無理矢理にでもその後の展開を気になるようにした、ハッキリ言えばその後のマーケティングの展開を意識したあの終わり方は、個人的にはいやらしさを感じます。 Newtype4月号に監督のインタビューが載ってて、後日談的な話も一応決まってるよーな事を言ってましたが、よーするに「Final of Final」と銘打ちつつその後を視野に入れてるワケです。全然完結した気がせず、当然盛り上がりには欠けます。
 大体、ラストなのにガイにーちゃんも命ねーちゃんも姿を見せないってのは問題かと (イメージカットは除く)。

○ 勇者王新生・完全版について
 ある意味もっとも納得いかないのがココ(笑)。
 発売前から映像特典として「勇者王新生!~究極進化バージョン~」が収録されるとの情報がありました。7巻の全作り替えOPがかなり気合い入ったモノであったにも関わらず、最大の山場であるところの「ゴールディオン・クラッシャー!!!!」が省かれていたために、ほんのちょっと痒い所に手が届かないよーなもどかしさを感じていたので、8巻での完全版がどのようになるか、本編と同じくらいに楽しみにしていました。
 が、結局収録されていたのはTV版を含む各カットの寄せ集め。確かにフルコーラスで「ゴルディオン~」も入ってはいましたが、曲にあってないモノを寄せ集めされたトコロで爽快感など感じようもありません。ひょっとしたら「木星決戦」時のような「燃え」を狙ったのかも知れませんが、ストーリー性もないのでそれも不発。HP上のスタッフコメントでは「スタッフ内部でも評判が良く、これだけでも買う価値があります」とありましたが、個人的には全く逆の感想です。

 だいぶの長丁場でスタッフの入れ替え等もたくさんあったのも分かりますが、結果として、視聴者のガオガイガー像を理解しないスタッフが作り上げた別物、という感想を個人的には拭えません。上記スタッフコメントとの意見の相違がそれを如実に表しているように思えます。
 まあ、当然私が全ガオファンの総意を代表しているわけでもありませんから、私の意見が特殊事例に含まれる可能性も十分にあるわけですが。

 ちなみに8巻で気に入ったトコロと言えば、
1.ゴルディオン・クラッシャー
2.ジェネシックヘルアンドへヴン一瞬前の構え
3.キットNo.8「ウツセミ」
4.幻龍神「光と闇の舞」
5.タワーブリッジをかき鳴らすマイク13
6.命の「ガイ・・・やっちゃえ!」
7.ED・華ちゃんの泣く直前の耐え顔


■ ジェネシック総論
 さて、あまり否定的な話を続けても面白くないので(笑)、少しムダに考察でも入れてみましょう。

○ アンチプログラムとしてのジェネシック
 上記でも書きましたが、ジェネシック単体ではソール11遊星主全てを相手取るには力不足でありつつも、ソール11遊星主に対する最大のイニシアチブである「ジェネシックオーラ」をほとんど使いませんでした。結局のトコロ、ジェネシックオーラを用いてピサ・ソールを沈黙させるのがジェネシック本来の役割なのでしょうが、好意的な見方をしてみればソール11遊星主の奸計にかかって戦力を分断・各個撃破の体制にもっていかれた、と判断することもできなくはないでしょう。
 そうでないとして、「あっさり決着がついては話にならない」という大人の事情を抜きに考えた場合(笑)、
 1.ガイ従来の戦闘スタイルにジェネシックオーラを用いる戦闘がマッチしなかった。
 2.ジェネシックそのものがまだ未完成であった。
 3.本来、ジェネシックも11体存在するハズだった(アーク艦隊のように)
などが考えられるでしょうか。

○ 統合戦術兵器としてのジェネシック
 極端な事を言えば、アンチプログラムとしての機能はジェネシックオーラだけあれば良いということになります。ですが見る限りジェネシックオーラはサブの機能であり、また、「完成勇者王」とOPで銘打たれていたように、その機能は地球版ガオガイガーと比較して非常に完成度の高いモノとなっています。おそらくジェネシックという存在は、アンチプログラムとしての機能を中心に、あらゆる「破壊」の必要性に対応した統合兵器なのだと考えます。
 「ジェネシックガオガイガーについての考察あるいは思索」のページにも書きましたが、地球版ガオガイガーが拡張ツールとせざるを得なかった各種ツールが、ジェネシックの場合ガジェットツールという形で組み込まれています。単体の能力を極めることで、あらゆる事態を「破壊」する絶対的な力を持つことを目的としたのではないでしょうか。
 便宜上項目名には「統合戦術兵器」と書きましたが、何かを「破壊」する事を主目的とするジェネシックは、仮想敵の撃破を目的とした「兵器」に分類されるべきものではないと考えています (その意味で、ゾンダーとの戦闘を主目的としたガオガイガーとも異なる存在と言えます)。 TV版のガオガイガーが「大工ロボ」と揶揄されていたのに近い意味で、「土木ロボ」と言えるのではないでしょうか。ただし、土木機器の中でも破壊を行う機械なわけです。「カインの創りし破壊マシン」という言葉は、ジェネシックにこそふさわしいのではないでしょうか。

○ ゴルディオン・クラッシャーについて
 前回予測した中では3番目の予想に近かったようです。まあ、全ディビジョン鑑を使って巨大なハンマーを構成する、なんてのまでは予測できませんでしたが(苦笑)、個人的にはアレくらいならアリかなと思いました。Zマスタークラスの敵に対抗する、ってのも実際にあった以上、十分考慮に入れなきゃいけない話ですし(今回サイズ的には予測を上回られてしまったワケですが)。まさしく「破壊神の鉄槌」。「人類最後の切り札」という呼称は伊達ではありません。
 さて、このゴルディオンクラッシャー。本来はガオファイガーのために用意されていたとの事です。上記で「地球版ガオが各種ツールを拡張ツールとせざるを得なかった」と書きましたが、逆に言えば地球版ガオには「拡張の余地がある」と言うことであり、未完の強みであると言えます。後日談的な話を勝手に連想させてもらえば、地球に戻った護と戒道は、成長した後新たなGGGを結成する事でしょう。その時には護がフュージョンすべき新たなガオガイガーが作成されるに違いありません。ジェネシックのデータを元に、GとJの共鳴現象をもシステマイズした究極の勇者王。
「あらゆる脅威から全宇宙の生命を護るべく蘇ったアルティメット・メカノイド!」
・・・あくまでガイにーちゃんが帰ってこなかった場合の話ですが。

○ エヴォリュダーについて
 Gストーンを核に、サイボーグ体と人類の遺伝情報が融合して誕生した超進化人類・エヴォリュダー。驚異的な身体能力とGストーンのパワー。電子機器すら制御する情報処理能力。8巻ではパルパレーパに注入されたケミカルナノマシンのウィルスを体内で書き換えて逆に送り返すという離れ業までやってのけました。
 ところで、何巻かの解説書に以下のような記述があります。「しかし、ガイ自身もその全ての能力を把握してはいなかった」、と。
 今回、その言葉の本当の意味が明かされています。「エヴォリュダー。無限情報サーキット・Gストーンとサイボーグ体の融合した超進化動力体。ガイ自身に勇気が満ちあふれている限り、その力は無限を超えた絶対勝利の力である」、と。これは「ガイ単体で永久機関としての能力を有する」事を意味すると思われます。少なくともガイは、本来ジェネシックにフュージョンする予定だった(であろう)カインをも上回る存在なのは間違いありません。なもんでそのガイのフュージョンしたジェネシックはあんなもんではないと思うんですがねえ・・・。

○ ソール11遊星主について
 「P」で始まる名前ばっかりだったけどなんか理由があったのかな?単に「g」を左右反転すると「p」っぽいってだけ?

○ ジェネシックのブロウクン・マグナムについて
 時折「拳だけで飛ぶのは納得できない」とか「拳と腕が逆回転しないとまっすぐ飛ばない」等の感想を見かけますが、私はアレはアレでアリかと。特に後者の意見の方、この意見の方は初代ガオのマグナムが拳の回転と腕の回転がカウンターになってて直進安定性を得ているとゆー隠れ設定を知ってる方だと思いますが(笑)、初代~ガオファのマグナムが「ロケットパンチ」なのと比較すると、ジェネシックのマグナムはそれこそ「弾丸」なのではないでしょうか。高速回転によるジャイロ効果で直進安定性を得てるんじゃないのかな、と。ホーミングするのはご都合ということで(笑)。
 ・・・ホントは腕ごと飛ぶと「ファントム」とか思ってたんですがね(苦笑)。

○ ボルトについて
 結局出なかった「ブロウクンボルト」と「プロテクトボルト」。ひょっとするとGGG脱出の鍵を握っているのか!?

2003-03-31 [アニメ]

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