[0] ジェネシックガオガイガーについての考察あるいは思索-[Id of Radiance ver.5]





■ ジェネシックガオガイガーについての考察あるいは思索

緊急特別編(笑)。未だ謎の多いジェネシックに対する考察、及び個人的な仮説。


■ 「ジェネシック」の由来について
 ジェネシック・・・スペル的には「genesic」となる。
 しかし、この単語が載っている資料は驚くほど少なく英和辞書ですら載っていないものが多い。かろうじて掲載されていた、比較的学術用語の多い英和辞書によると、「genesic」とは「generative」と同義であり、和訳すると「生産」、「生殖」といった意味合いになる、らしい。

 当然のことながら、この結果は大いなる矛盾である。作中何度も述べられている通り、ジェネシックガオガイガーは「三重連太陽系の再生プログラムであるところのソール11遊星主」へのアンチ・システムであり、その手法は「創造」を司るソール11遊星主に対して「破壊」なのだから。普通に考えれば「genesic」の名はむしろソール11遊星主に対して冠せられる言葉のように思える。

 しかしながら、ここの3つの符合を見いだすことが出来る。
 一つは、いみじくも護の母の意識が命に語りかけたように、「破壊は新たなるゼロへの希望」である事。破壊なくして再生はあり得ない。この、破壊から再生が生まれるという思考法はヒンドゥーでも用いられており、有名な破壊神「シヴァ」がそれを体言している。シヴァの男根「シヴァリンガ」への信仰は、新たな生命誕生への信仰そのものである。これはgenesic=生殖という言葉と奇妙な一致を見せる。
 さらにもう一つ、ガオガイガーの兄弟作とも言える「ベターマン」。ガオ以上に「生命とは何か?」を問い続けたこの作品で、「究極の生命」であるところの「ベストマン」をうち破ったのは、より劣る種であるはずの「ベターマン」の一形態「オルトス」であった。不死身の細胞をもつベストマンに対し、生殖細胞にも似た無限の「誕生」の力を秘めたベターマン・オルトス。これは、無限に再生を続けるソール11遊星主に対する、ジェネシックガオガイガーの存在と一致する。
 そして最後の一つ。これはTV版の頃から既に片鱗は現れていた。護がマスタープログラムを消滅させる時、レプリジンスターガオガイガーがヘルアンドヘブンを放った時、そして、ジェネシックが真なるヘルアンドヘブンを放った時。「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォー」の次に続く言葉「ウィータ」。この言葉は、ラテン語で「生命(Vita)」を意味する。(ちなみに「ヰタ・セクスアリス」の「ヰタ」もこのVita)

 「再生プログラム」であるソール11遊星主は、あくまで「過去」を再生することのみを目的としているハズである。Zマスターによる三重連太陽系侵攻が軽度のダメージで済んでいればそれは意味のある事だったのかもしれないが、今の彼らの行動は墓場から死者を蘇らせる行為と変わらない。例えそれが可能だとしても、それは異なる別の宇宙を犠牲にしての結果であり、彼らは「創造主」の名に値しない。ソール11遊星主にアンチ・システムが存在するのはその辺りに理由があるのであろう。誤った再生の力が発動したときに、真なる再生と誕生を迎えるための破壊・・・。そしてそれを可能にするのは「生命」の営みそのものなのであろう。

 『ジェネシック・ガオガイガー』。それは、『生命のガオガイガー』なのではないだろうか。


■ 「ジェネシック」の封印

 TV版ガオのギャレオンは、その能力を対原種用に調整され、全ての能力が出せないようになっていたと言う。さて、仮にギャレオン1体と護しか原種及びゾンダリアンに対抗する存在がいなかった場合、果たして彼らを止める事が出来たであろうか?
 答えはNoである。ガオガイガーの形態でさえ、対原種用兵器であるところのキングジェイダーにすらかなわないであろうその能力では、単体としての存在意義はほとんど無いと言っていいだろう。ならばなぜ、勝機を削るマネまでしてギャレオンの能力、及びジェネシックマシンを封じる必要があったのであろうか?

 いくつかのシチュエーション的な仮説は成り立つ。Zマスターの侵攻もおそらく一瞬というわけではなかっただろう。アベルがアルマ、トモロ、Jアーク、ソルダート部隊を準備している余裕があった(ただし本稼働する余裕は無かったわけだが)のもその裏付けとなるであろう。侵攻の最中、侵攻が終わった後の再生を考える余裕があったのも同じである。それら時間的な状況の変化から、あまり理想的でない状態でギャレオンの調整を終えてしまった、という可能性はある。
 が、しかし、「元から制限などかけなければ良かったのでは?」という疑問も成り立つ。まだ全てを見せたわけではないものの、ジェネシックガオガイガーの能力はおそらくキング・ジェイダーをも凌駕するものと思われる。対原種用としてのGパワーも、地球で不完全に複製されたGSジェネレータによるそれとは比べものにならないと予想される。あえて制限などかけず、最初から原種との戦闘に投入していれば、あるいは三重連太陽系の消滅は無かったのではないだろうか?

 これは、「Zマスターの存在理由」にその理由が存在すると推察する。
 Zマスター・・・Zシステムとは、元々「紫の星」で「ストレス等、生命体のマイナス思念を消去するため」に作られたシステムと、TV版で語られている。・・・要するに、精神的マッサージ器(笑)みたいなモノだったハズである。暴走し、その手法を間違えたとは言え(ただし彼らは間違ったとは思っていないだろうが)、彼らはマイナス思念を消去する目的で動いてたことは間違いない。護の浄解を受けた人間の人格が変わるのは、ゾンダーメタルの力によるものなのである。つまり、彼らは文明の根絶を目的とはしたものの、生命体の根絶は目的としていなかった。その結果、彼らが採った手段は生機融合としての「変質」だったのである。
 ここで、ジェネシックが封印された理由が何となく想像できる。「変質」に対するに「破壊」の力を用いた場合、結果として変質した部分を全て破壊するしか方法がない。ガン細胞に侵された肉体を全て切除し続けるようなものであろうか。対して対原種用に対消滅を狙って作られたアルマは、ガンの特効薬を連想させる。

 そう言った諸々の思案の中、しかしおそらく侵攻は予想を超える速度で行われ、ソルダート師団の完全稼働は間に合わず、ギャレオンとフュージョンする予定のカインの命も失われ(注:ソール11遊星主の彼はニセモノと断定。声も違うし(涙))、かろうじて護とギャレオンを別宇宙に遺産として転移させることが精一杯だったのではないだろうか。再生の願いをソール11遊星主に、Zマスターの打倒と、本来の役割をギャレオンと護に託して。


■ 「ジェネシック」の能力

 しつこいよーだが、ジェネシックガオガイガーはソール11遊星主に対するアンチ・システムである。Jが「天敵」と述べたように、その力は基本的には遊星主に対して効果的な力なのであろう。

 最もソレを体現しているのが「ジェネシック・オーラ」である。パルパレーパ曰く
 「ジェネシックオーラの前では、その力を失ってしまう」
と。まあ言うなれば、ジェネシックオーラこそがアンチ・プログラムそのものなのであろうか。実はそれ以外にジェネシックオーラの効果というモノは述べられていないのである(苦笑)。7巻にて初登場「ボルティングドライバー」、「ジェネシックボルト」から放たれたジェネシックオーラの無限波動も、おそらくは対遊星主にのみ有効な攻撃なのだろう。

 さて、7巻では上記以外にも様々な能力が披露されている。

 まず挙げられるのが「ガジェットツール」の存在である。これこそまさしく地球版ガオの各ツールの元となったシステムである。ガジェットガオーの頸部、ジェネシックの尾部が分離し、ツール形態となって様々な能力を発揮する。上記で述べたボルティングドライバーもそうだし、前巻発売後に話題となったガジェットの頭部、これがびっくり「ウィルナイフ」であったりと、「ああ、ジェネシックのデータってサイボーグにも生かされてたのか」と、なんか感心してしまった。エネルギーアキュメーターとかも。地球版ガオガイガーは各種ツールとの連携によって、様々な戦局に対応していたが、それらはほぼ全てジェネシックのデータから作られたものだったのであろう。逆に言うと、そういったツールを含めたジェネシックのデータはあったものの、それらを完全に「単体」として統合することができず、拡張ツールとせざるを得なかったのは地球の科学力の限界だったのだろう。

 次に「ジェネシックアーマー」。これまでもガオガイガーは「プロテクトシェード」という形でバリアシステムを備えていた。これはゾンダーのゾンダーバリア、Jのジェネレーティングアーマーも同様であるが、常時全面を覆う彼らのバリアに対し、基本的に任意のタイミングで前面にのみ展開する(全面展開したこともあったが)プロテクトシェードは、反射という特性を備えてはいたものの、防御としては劣る機能だったと言える。ところが今回、プロテクトシェードとは別に「ジェネシックアーマー」なる防御機構がジェネシックには備わっており、パルパレーパの剣を難なくはじき返していた。これが遊星主にのみ有効なバリアシステムかどうかは不明であるが、各ジェネシックマシンの諸元表を見てみると、バリアシステムとして「Ultimate G-power Barrier System」、アーマーシステムとして「Ultimate G-armor」とある。この両者が別物なのか、連動するものかは不明であるが、より広範囲に影響を及ぼすようになったプロテクトシェードと加えて、ジェネシックの防御力は想像を遙かに上回るものと推察される。

 「ブロウクンマグナム」と「プロテクトシェード」は、現状ではパワーアップのみと思われる。ただしマグナムの方はこれまで肘から先のみ飛んでいたのが手首から先、となっている。追尾能力、攻撃力は格段に上がっていると思われるが、それ以上の追加能力は現状では不明である。密かに肘から先も飛ぶとブロウクンファントムか?などと予想してたり(笑)。

 「ストレイトドリル」と「スパイラルドリル」は、まあドリルである(笑)。もっともこれまでガオほどドリルを有効的に戦闘に生かしていた例はないので、その果たす役割は非常に大きい。見かけによらず軽やかな格闘戦を得意とするガオガイガーにとって、近接戦闘で絶大な破壊力を示すこれら2つのドリルの存在は大きいのであろう。

 そしてついに登場した真なる「ヘルアンドヘヴン」。
TV版ガオでのヘルアンドヘヴンは、その絶大な能力故にサイボーグ・ガイに掛かる負担が大きく、結果として「未完の兵器」であった。ガオFINAL2巻でレプリジンの護が放ったヘルアンドヘヴン(護曰く「真のヘルアンドヘヴン」)は、偽物とはいえ全てのGストーンの元となった護が持つ本来の能力と、パスQマシンの力によって絶大な攻撃力を発揮した。ゴルディオンハンマーを粉砕し(注:ただしこの時はハンマーヘルアンドヘヴンの「釘を刺す」モードであったため、本来の意味での比較は出来ない)、イレイザーヘッドでその力を分散させられた後でも超龍神を撃破し、ガオファイガーのヘルアンドヘヴンと相打ち寸前まで持っていった。最終的にガイ・・・ガオファイガーのヘルアンドヘヴンに破れたものの、これは「機体強度」の限界であると私は考える。つまり、地球で作られたガオガイガーには、ヘルアンドヘヴンに耐えうる強度が、外装的にも内装的にも備わっていなかったのである。
 ジェネシックですら、この膨大なエネルギーに対する機体強度限界を克服するのに、ガジェットツールを用いざるを得なかった。分散したガジェットツールがジェネシックの両手に被さり、まさしく悪魔のような新たな手を形成する。この様はゴルディオンハンマーの衝撃に耐えうるために、マーグハンドを用いたのに酷似している。逆に言えばこの発想があればもう少しで地球版ガオも真なるヘルアンドヘヴンに辿り着けたのでは・・・と思うとちょっと残念である。
 さて、真なるヘルアンドヘヴンの攻撃力については、出した直後でまた来週になってしまったので(笑)、最終巻までお預けである(苦笑)。

 とまあ、ここまでが7巻で明らかになったジェネシックの秘めた能力である(まあ「ガジェットフェザー」なんてのもあったがとりあえず高機動性を実現してるってだけなのでとりあえず置いておく)。
 これに加えて、現時点で存在が確定しているものの、出ていない機能が3つある。

 この3つのうち2つが、ブロウクンガオーとプロテクトガオーの放つ「ブロウクンボルト」と「プロテクトボルト」である。なぜその存在が確定しているかというと、諸元表に特殊装備として「Protect Bolt for Bolting Driver」、「Broken Bolt for Bolting Driver」と書いてあるからである(笑)。ジェネシックの攻撃と防御を司る2体のジェネシックマシン。その2体から発せられるボルティングドライバー用のボルトが如何なる効力を発揮するか、予想はできるが想像はできない。

 そして、ジェネシック最大の謎「ゴルディオンクラッシャー」である。その名称と、これまで明らかになったジェネシックの能力から、ガジェットツールを用いたゴルディオンハンマーに似た攻撃・・・おそらくはグラヴィティショックウェーブを用いた攻撃であることはある程度想像できる。ただし、対ゾンダー、対原種用にその影響範囲を調整し、効果を最小限に押さえているゴルディオンハンマーに対し、おそらくはより広範囲に、より強力な攻撃であることは想像に難くない。加えて、単にパワーアップした以上の特別な機能が備わっていることも期待できる。
本当は、7巻発売までは真なるヘルアンドヘヴンこそがゴルディオンクラッシャーだと考えていた。その予想は外れてしまったワケだが、その代わり、新たな推察がいくつか可能となった。

1. 上記で述べた通り、ガジェットツールを用いた攻撃。おそらく全ガジェットツールで何か面白いもの(笑)を構成するのだろう。

2. ヘルアンドヘヴンの強化版。可能性として、2本のボルティングドライバーによりブロウクンボルト、プロテクトボルトを同時に使用して、空間的にヘルアンドヘブンの効力を発揮するという攻撃が考えられる。

3. 復活したゴルディオンハンマーを用いた攻撃。ゴルディオンハンマーは2巻で護に破壊されて以降、複製されたものしか登場していない。この地球上最強のツールとジェネシックが協力することで生まれる新たな力・・・それがゴルディオンクラッシャーなのかもしれない。

 個人的な予想として、可能性が高いであろう順に並べてみたが、意外と3あたり大穴かもしれない。7巻の各コメントや、ラストの勝利の鍵、およびそのコメントを見ると「異星のテクノロジーに対する人類の叡智と勇気」のような書き方がされている。ジェネシックの力すら及ばない事態の場合、あるいは最後の勝利の鍵は人類が握っているのかもしれない。
 そーいやウルトラマンが倒せなかったゼットンを倒したのは、人類の作ったペンシル爆弾だったしな(笑)。

2002-07-20 [アニメ]

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